実は老後に年金だけで不足するのは2000万円だけではありませんでした。
安倍首相が6月10日の参院決算委員会で、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要とする金融庁金融審議会の試算について
「不正確であり、誤解を与えるものだった」と述べました。
これは立憲民主党の蓮舫副代表との質疑でのやり取りの中での一幕ですが、いったいどのように不正確でどんな誤解を与えたのでしょうか。
蓮舫副代表は質疑の中で年金だけでは老後に不足とされる2000万円について以下のように追求。
2000万円足りないという記述の後に「ここには例えば老人ホームなどの介護費用、住宅リフォーム費用などを含んでいないことに留意が
必要である」。
そしてわざわざライフステージごとに発生する費用等の例ととして、介護が必要だと1000万円最大で掛かる、リフォームが必要だと465万円
掛かるって明確に書いてある。3000万、4000万円どんどん膨らんでいく。そんな話をされているんですよ。
これには金融庁側も「説明が稚拙でもうしわけございません」と答えるしかありませんでした。
本当であれば、私たちが用意するべき資産はさらに手の届かない額になってしまいます。いったい蓮舫副代表の出してきた数字にはどのような
根拠があるのでしょうか?
蓮舫副代表が指摘しているのは5月22日の金融審議会で配布された資料「事務局説明資料(「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案))」
と「参考資料」での記述です。
事務局説明資料の17ページには以下のように記述されています。
収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1300万円、30年で約2000万円の取崩しが必要になる。支出については、
特別な支出(例えば老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用など)を含んでいないことに留意が必要である。
「事務局説明資料(「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案))」より引用
そして「特別な支出」とされた「老人ホームなどの介護費用」や「住宅リフォーム費用」については参考資料の19ページに記述があります。
https://buzzap.net/images/2019/06/10/fsa-pension-... 「参考資料」より引用
ここでは介護費用は0〜1000万円となっており、最大の1000万円となる場合の根拠は生命保険文化センターの「平成27年度生命保険に関する
全国実態調査」からで、以下のような内訳となっています。
(続く)
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