1人当たりGDPを減らしたのは、日本、リビア、ナイジェリアのみ
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001 2025/08/20(水) 19:21:31 ID:hExRKH3Cmw
平成初期、スペインやギリシャを訪れると、1泊3000円台で清潔なホテルに泊まることができ、物価は日本の半分か3分の2で、経済大国の国民の恩恵を実感したものである。
ところが今や、ホテル代や物価が日本より安い国はヨーロッパにほとんどなく、かつて世界中どこにでもいた日本人旅行者に会うことも少なくなった。地元の店先に当然のように並んでいた日本語版のガイドブックは中国語版やロシア語版に取って代わられた。
1995年から2024年までの1人当たりの(名目)GDPの変化を見ると、日本は4万4210ドルで世界第3位だったのが、3万2498ドルに減り、世界38位まで転落した。
一方、ギリシャ、ポルトガルと共に「EC(現・EU)の三貧」と呼ばれたアイルランドは、24位・1万9093ドルから2位・10万6456ドルへと大躍進した。
恐ろしいことに、統計が明らかな177カ国のうち、1人当たりGDPを減らしたのは、日本、リビア、ナイジェリアの3カ国しかない。リビアは2011年のカダフィ政権崩壊後内戦状態で、ナイジェリアは昔から腐敗が深刻な国である。実質的に日本の独り負けという状況だ。
本書は、日本と対照的に顕著な成功を収め、1人当たりGDPで世界のベストテンに名を連ねるルクセンブルク、アイルランド、スイス、シンガポール、アイスランド、デンマークの6カ国について、各国に詳しい専門家が分析したものだ。それぞれ実務家、学者、ジャーナリストといったバックグラウンドの人々で、分析手法も経済学的なものから現地での生活体験を中心とするものなど多彩で、各国の実情だけでなく、ものの見方についても教えられる。
本書のテーマは論点が多岐にわたる性質で、かつ記述が網羅的なので、読者は何が重要なのか自分で判断することが求められる。評者自身は、国家の経済戦略、移民の活用、高等・職業教育、労働スタイルの効率性等の影響が大きいと感じた。
最後の約60ページは、6カ国の分析と比較しながら、日本の問題点を明らかにしている。気軽にさらっと読めるという新書の一般的概念を覆す、本格的な論考である。
「『日本は世界第〇位の経済大国』などと胸を張る時代は終わった。(中略)日本が暮らしもままならない弱国とならないよう、国の規模を問わず他国の成功例を謙虚に学び、危機感を持って自ら変わる姿勢が今必要だ」という著者の言葉は重い。
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250902/se1/00m/020/...
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006 2025/08/21(木) 01:44:23 ID:nZeN5N1vJ2
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