国内消費20年で半減、生産量は3割減 
    「海のミルク」と呼ばれ、栄養たっぷりのカキ。今年のシーズンは間もなく終わろうとしているが、国内消費の落ち込み 
 による苦境を打開しようと、広島県などの水産加工業者は新たな戦略で海外への輸出を進め、活路を見いだそうと懸命だ。   
  総務省の家計調査によると、全国1世帯当たりのカキ消費量は2022年が421グラムで、2000年(921グラム)に比べ、半 
 分以下に減少している。消費減の要因は、「かつてノロウイルスの食中毒が発生した時、カキが原因とされて敬遠されたこ 
 とや、家庭の食事でフライや鍋料理を作って食べる機会も減っている」(カキ加工業者)ことが挙げられている。   
  この間、カキの生産状況も芳しくない。農林水産省の調査によると、養殖カキの生産量は2000年が全国で合計約22万100 
 0トンだったが、21年は約15万9000トンで、この間3割ほど減少している。   
  今年の生産も「例年に比べ少なく、身の成長も良くない」と、広島県などの水産関係者は口をそろえる。海水温の上昇な 
 ど海の環境変化に加え、近年は「カキの身を殻から外して出荷に備える作業員の確保が、新型コロナの影響などで難しくな 
 っている」(加工業者)ことも、生産量減少の一因になっているという。   
 ◆日本産カキが初めてフランスへ   
  日本でカキは加熱用を中心に「むき身」にして流通させるのが主流。国内消費に加え、生産量も低調な中で、海外では生 
 食によるカキ消費が旺盛なことから、各地の加工業者などは、殻付きの生食用カキの輸出にシフトする動きが目立つ。   
  カキの扱い量日本一を誇る「クニヒロ」(広島県尾道市)は、生カキ需要が高い欧州への輸出を目指して準備を進めた。 
 今年1月に同社の加工施設などが、農林水産省から欧州連合(EU)への輸出に必要な食品衛生管理の国際標準「HACCP 
 (ハサップ)」に認定された。   
  EUへの輸出基準はかなりハードルが高く、クニヒロの認定は初。これを受けて今年2月上旬、同社は殻付きのカキを冷凍 
 してフランスへ輸出した。日本産カキが同国へ輸出されるのはもちろん初めて。解凍後は生食が可能で「日本のカキは粒が 
 大きくおいしい」と好評だったという。 
 続く→
https://news.yahoo.co.jp/articles/d37bd5984ebe162d09325...
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