「日本経済は今後衰退するだろうから、日本円だけしか持っていないのはリスクが大きい」そう考える 
 人は少なくありません。しかし経済コラムニストの大江英樹さんは「外貨そのものを持つことに何の意 
 味もありません。多くの人は外貨を持つことと外国資産を持つことの意味を混同しているのです」と指 
 摘します――。   
 ■外貨保有に関する大誤解2つ   
  投資についての話題のひとつに「資産分散の方法として外貨を持っておくべきだ」という話がありま 
 す。多くの人はそう言われると「なるほど、そうかもしれない」と考えがちですが、これについてはも 
 う少し深く考える必要があります。   
  どうもこの考え方の根底には、外貨を保有することについて次の2つの誤解があるとしか思えないから 
 です。   
  ①外貨を持つことと外国資産を持つことの意味の混同 
 ②外国為替に投資することで利益が得られると 
 思う勘違い   
 ■日本円しか持たないのはリスクなのか   
  私は外国資産を持つことは意味があるし、必要なことだと思いますが、外貨そのものを持つことには 
 全く何の意味もないと思っています。なぜなら我々は日本に住んで生活しています。当然日常の生活で 
 使う通貨は「円」です。いくら外貨をたくさん持っていてもそのまま使うことはできませんので両替す 
 るしかありません。頻繁に海外に行くとか、海外に家族が暮らしていて定期的に送金が必要という人で 
 もない限り、外貨そのものを持っていてもそれだけでは使いようがないのです。   
  こう言うと、「いや、これからの日本経済は恐らく衰退するだろうから日本円だけしか持っていない 
 というのは大きなリスクだ」という意見が戻ってきます。もっと極端になると「日本経済が破綻して 
 円が紙切れになってしまうかもしれないということを想定して一定のドルを持つべきだ」という人もい 
 ます。でも本当にそうなのでしょうか?    
 ■外貨ではなく外国資産を持つべき   
  日本経済は衰退するからというのであれば、投資すべきなのはドルやユーロや人民元といった通貨そ 
 のものではなく、アメリカや欧州や中国の企業や不動産に投資をすべきです。それは外貨を持つことで 
 はなく、外国資産を持つことなのです。この考え方は正しいです。   
  国がどこであれ、成長性のある企業は存在します。例えばこの20年ぐらいの間を考えると米国株に投 
 資をしてきた人は、日本株だけにしか投資しなかった人に比べて何倍も資産を大きく増やしています。 
 中国株も同様です。GAFAと言われる米国の成長企業群は日本ではなかなか育っていません。したがっ 
 て、世界に幅広く成長性の高い企業を求めて投資をするというのはとても良いことです。それはおおい 
 にやるべきだと思います。   
  しかしながら…続く  
https://news.yahoo.co.jp/articles/bde83522a10d5eea4ac81...
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