EV(電気自動車)が50万円で買えるとしたらあなたは買いますか? 
 中国のメーカーが去年発表した50万円を切る“超低価格”のEV。「価格破壊の波が来た」と世界最大の自動車市場、中国で今、衝撃が広がっている。 
 一方、これとは対照的に600万円からという価格帯でプレミアムブランドを目指し急成長を遂げている新興メーカーもある。 
 多くのEVメーカーがひしめき合い、“群雄割拠”と言われる中国のEV市場。激しい競争の中で注目を集める両極端なメーカーの実力、そしてその車はどのようなものなのだろうか。 
 (中国総局記者 伊賀亮人 広州支局記者 高島浩)   
 ◆格安EVは“田舎町”で生まれた   
 まず取材したのは“超低価格”を売りに販売を急拡大するメーカーだ。   
 この会社が去年7月に中国で発売した格安の小型EV「宏光MINI EV」。最も安いグレードだと約48万円。どんなEVなのか、生産拠点に向かった。   
 中国南部、広西チワン族自治区柳州。人口は400万人、中国では規模が小さく、言ってみれば“田舎町”だ。   
 空港に降り立ち街へ向かうと、話題の格安EVがあちこちに止まっている。   
 販売台数は1年足らずで27万台を超えた。世界最大のEVメーカー、テスラを抑えて、中国で去年、EV販売でトップに立った。   
 ◆試乗してみたら…   
 「まずは乗ってみてください」。 
 生産拠点の中にある走行試験場で担当者に促された。   
 アクセルを踏み込むと、EV独特の無音で、すーっと進む感覚、あっという間に時速60キロを超え、坂道もスムーズに登り切る。   
 若干がたつく感じもしたが、短時間なら許容範囲ではないか。   
 日本の軽自動車よりもひと回り小さく、最高速度は時速100キロほどだが、小回りがきき、狭い駐車スペースにも難なく止めることができた。
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