国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構などは、より低いコストで水素を作る技術の確立をめざして、 
 福島県の浪江町に大規模な水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド」を建設し、今年2月末から運転を行っている。この施設は、 
 広大な土地に設置された太陽光パネルから得られる電力で水素の製造を行っていることも特徴。一般的に、水素の製造には電気が使われるが、 
 火力発電などCO2を多く出す方法で発電した電気を使ったのでは、結局のところ「排出がゼロ」とは言えない。「究極のエコカー」の呼び名にふさわしく、 
 製造過程でもクリーンエネルギーを使うという取り組みだ。   
 ただ、こうした課題を解決してもなお、水素を自動車の燃料として普及させるためには、根本的な問題がある。 
 製造場所で作った水素は、使う場所まで自動車などで運ぶ必要があり、供給の時点で新たなCO2を排出する可能性があること。 
 また、水素は燃焼しやすい気体であるため、扱いが難しく、自動車に水素を充てんするための「水素ステーション」を市街地には作れないことだ。 
 その結果、ガソリンスタンドが全国におよそ3万か所あるのに対して、「水素ステーション」の数は昨年7月末時点で134か所(整備中も含む)と、 
 圧倒的に少ない。地域も偏っている。いくら補助金が出たとしても、気軽に充てんができないとなると、水素の燃料電池車が一般的に普及するのは 
 難しいと言わざるを得ない。   
 ■世界のスタンダードは「電気自動車」へ   
 一方で、今後、販売を伸ばしていくと予想されているのが「電気自動車」だ。水素と違って電気はすでに日本全国の隅々にまで供給網ができあがっているので、 
 充電器を取り付ければ、自宅でも充電ができる。わざわざステーションまで行かなくてもいい。現状では水素やガソリンと比較してランニングコストも安い。 
 世界市場をみても、長期的には「自動車のスタンダードは電気自動車になっていく」とみられている。   
 実際、今年7月にアメリカのテスラが株式の時価総額でトヨタを抜き、世界の自動車メーカー1位になったことは象徴的だ。 
 実際の販売台数ではまだ及ばないテスラだが、「将来的に電気自動車を量産できる」という期待がメーカーとしての価値につながっている。 
 電気自動車で成功できるかどうかが自動車メーカーの次の世界覇権を決めることは間違いない。  
https://news.livedoor.com/article/detail/19331168/?p=...
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