「こんなことを言いたくはないが、安倍総理には危機管理能力が欠如しているのが明らかになった」——。作家の百田尚樹氏がツイッターで 
 こう嘆くほど、新型コロナウイルスへの政府の取り組みがひどい。後手後手かつ場当たりな対応に批判噴出だ。   
  安倍首相は31日、新型コロナウイルスを「指定感染症」とする政令の施行日を今月7日から1日に前倒しし、14日以内に中国・ 
 湖北省に滞在した外国人の入国を拒否する方針を表明。WHOの緊急事態宣言を受けての措置だと説明しているが、「のんびりし過ぎ」 
 という世論の批判を気にしたのだろう。   
 「施行まで“空白期間”ができることに国民の不安が高まっていたのに、前日まで『人権上の問題があるため周知期間を置く』と、7日施行の 
 方針を変えようとしなかった。前倒しできるのなら、なぜもっと早くしなかったのか。武漢から退避する際のチャーター機運賃を政府負担にする 
 意向も同時に発表しましたが、決断が遅すぎる。そもそも、先月16日に国内で初めて新型肺炎患者が確認されても、政府の反応は鈍かった。 
 ちょうど春節(旧正月)の時期を控え、中国人訪日客の大量入国が見込まれていたにもかかわらず、有効な対策を講じようとしなかったのです。 
 官邸が安全対策よりインバウンドを重視したのではないかという見方も出ています」(自民党ベテラン議員)   
  実際、中国の春節休暇に合わせ、在中国日本国大使館の公式ホームページには、1月23日付で安倍首相のこんなメッセージが掲載されていた。   
 <春節に際して、そしてまた、オリンピック・パラリンピック等の機会を通じて、更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしています。 
 その際、ぜひ東京以外の場所にも足を運び、その土地ならではの日本らしさを感じて頂ければ幸いです>   
  23日といえば、武漢市が封鎖された当日だ。すでに新型肺炎の感染が拡大し、日本へのウイルス流入が懸念されるタイミングで、安倍首相は 
 中国人観光客の呼び込みをしていたわけだ。批判を恐れたのか、メッセージはすでにホームページから削除されている。   
 「国内でも次々と感染者が見つかっている今となっては手遅れですが、もっと早く政府が動いていたら、島国の日本は水際対策をしっかりできた 
 はずです。4月に中国の習近平国家主席を国賓待遇で迎えることもあり、コトを荒立てないよう中国側に配慮したようにも見える。政府の対応は、 
 国民の命と安全よりインバウンドというカネを優先して、初動が遅れたと批判されても仕方ありません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)   
  野党は先月6日には厚労省から聞き取りを行い、衆院厚労委員会の理事会開催も要求していた。その提案を無視し続け、政府がようやく 
 対策本部の設置を決めたのは同30日になってからだ。   
  一昨年の西日本豪雨災害時は「赤坂自民亭」の飲み会に興じ、昨年の台風15号による被害時は内閣改造にウツツを抜かしていて初動が 
 遅れたと批判されたが、国民の命と安全を軽視する安倍政権の体質はまったく変わっていない。    
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/26847...
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