「老後資金2000万円不足」問題の大炎上が続いていますが、この問題に対する菅官房長官の発言を検証してみたところ、思わぬ結果が 
 判明しました。   
 「95歳まで生きるには年金の他に夫婦で2000万円の蓄えが必要」とする金融庁金融審議会の試算は「年金100年安心」とされた年金制度では 
 安定した老後を送れない事を示しており、全国的に大きな波紋を呼んでいます。   
 7月に参議院選挙を控えた自民・公明両党は、この降って湧いた「足りない年金」問題を争点化させないために火消しに追われています。   
 自民党の二階幹事長は「我々選挙を控えておるわけですから、そうした方々に迷惑を許すようなことのないように注意したい」として金融庁に 
 撤回を含め厳重に抗議。   
 公明党の山口代表は「与党の枢要な人に(金融庁から)事前に何の説明もなかったのではないか。猛省を促したい」として、火種となるような 
 報告を与党側に説明せずに出したことを強く批判しています。   
 岸田政調会長は報告書について「極めてずさんなもので、まともな政策議論に役立つものではない」とデータとしての正確性を否定。   
 また麻生金融相は当初は「個々人の状況に応じて上手な資産形成ができるようにすることも大切」と擁護していたものの、炎上を受けて 
 「政府の政策スタンスと異なっている」ため「正式な報告書として受け取らない」と、報告書の受け取りを拒否しました。   
 政府与党の姿勢には「年金問題に背を向けて選挙で勝つことばかり考えているのではないか」といった指摘も出ていましたが、そうした中で 
 このデータの根拠は厚労省の資料だったことが明らかになりました。   
 報告書をまとめた金融庁の金融審議会の市場ワーキンググループ(WG)報告書によると、この資料を示したのは厚労省年金局の課長でした。   
 総務省の家計調査を元に高齢夫婦無職世帯の現在の収入・支出状況の資料を示しており「実収入20万9198円と家計支出26万3718円との差は 
 月5.5万円程度となっている」と説明されています。   
 「事務局説明資料(「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案))」の10ページにあるこちらの資料がそのまま該当します。  
https://buzzap.net/images/2019/06/10/fsa-pension-...    ここでは民間委員から、将来の公的年金の給付水準の低下を見越し「(試算にある)社会保障給付の19万円は、団塊ジュニア世代から先は 
 15万円ぐらいまで下がっていくだろう。月々の赤字は10万円ぐらいになってくるのではないか」との発言もありました。   
 (続く)
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