https://news.yahoo.co.jp/articles/4e86b4afc8907cbc87cc3... TOTOが米国でウォシュレット(温水洗浄便座)の販売を急拡大させている。コロナ禍以降、右肩上がりとなっており、
昨年時点で日本の販売台数の4分の1の規模に達した。それでも普及率は日本の8割超に対して米国はまだ3%程度とみら
れ、開拓余地が大きい。販売網やアフターサービスの拡充などで攻勢をかけている。
1989年に進出、長く低調な販売
米国でのウォシュレットの販売台数(一部カナダを含む)は、コロナ禍の2020年に前年の1・8倍と急伸し、一気に
販売が加速した。24年も前年比26%増で、25年1~3月も前年同期比48%増と高い伸びが続いている。
TOTO米国本社の室井太郎社長は「絶好調だ。苦節30年。ようやく普及期の入り口に来た」と手応えを口にしており、
25、26年もそれぞれ前年を2割程度上回る目標を掲げている。
TOTOが米国に進出したのは1989年で、当初からウォシュレットも展開していた。
ただ、ブランド力や認知度の低さから長く低調な販売が続いてきた。高級ブランドが入居するショッピングモールに
ショールームを出店した際には他のテナントから「トイレの店は施設のイメージにふさわしくない」などとクレームが
入り、退店を余儀なくされた。ニューヨークのタイムズスクエアで大規模な広告を出そうとした際にも、「不適切だ」
などと指摘を受けた。
また、長く赤字が続いていたこともあり、社内から「いつまで米国事業を続けるんだ」と言われることもあったとい
う。
有名ラッパーが友人にプレゼント
風向きが一変するきっかけとなったのが、コロナ禍だった。物流の混乱でトイレットペーパーが不足する中、紙なし
でおしりを洗えるウォシュレットが注目を浴びた。その数年前までにインターネット通販「アマゾン」や大手量販店
「コストコ」での取り扱いなど全米に販路を拡大していたことから、「商品を知った消費者が、すぐにネットや店舗で
購入できる体制になっていたことが奏功した」(室井氏)。
SNSの効果も大きかった。2022年に有名ラッパーのドレイク氏がウォシュレットを友人に贈ったことがSNSで紹介さ
れ、米メディアでも広く報じられたことで認知度の向上につながった。DIYが得意な購入者が設置方法を解説する動画を
多く配信するようになったこともプラスに働いた。
続く
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