
開発の背景には、中国AIの現場における「2つの無い」と「2つの有る」が存在する。
2つの無いの克服
資金力が無い
AIモデルの開発でコストがかさむのは、模範解答をひたすら学習させる「トレーニング」過程にある。
巨額のマネーを集める米テック企業はいくらでも資金をつぎこめるが、資金力が限られる中国スタートアップは学習の方向性を絞り込まざるを得ない。
「R1」はそのギャップを別の方法で埋めた。
AIに人間のような推論・分析能力を持たせ、知らない問題でも思考の末に答えを導き出す「自己進化」を可能とした。
これによりトレーニング過程の費用を大幅に削減した。
高性能半導体が無い
高性能半導体が対中輸出規制を受けている中、国産半導体は試用段階にあり、中国企業は効率のよいモデルの開発にしのぎを削っている。
「R1」は半導体のメモリ使用量を大幅に減らすシンプルな機構設計にも特徴がある。
2つの有る
豊富な人材
清華大学や北京大学など著名大学は相次ぎ生成AI部門を拡大している。
米シンクタンクによると世界のトップクラスのAI研究者の半数近くが中国で教育を受けた。
ディープシークの約140人の開発チームはその象徴だ。梁氏はAI研究で知られる浙江大学出身。
梁氏の会社は「経験よりも潜在力」を重視するため社員は20代中心で、博士課程の学生も多い。
全員が海外経験を持たない本土人材だ。「天才少女」や数学オリンピックの勝者など有名人も多い。
中国AI業界の自由さ
中国のAI業界は「逆説的な自由」を持つ。
中国共産党の統制下、政治批判は厳しく監視されるが、政治以外はそれほど重視されていない。
開発加速が国家の優先事項であり、知的財産保護や倫理の確保、軍事利用の制限といった規制は後回しとされている。
世界AI業界の今後
ディープシークの登場で、巨額マネーが左右する「強者のゲーム」は突然、持たざる者たちも入り乱れ低コスト・低価格を競う別のゲームに置き換わった。
米テック企業は投資回収もままならなくなりかねない。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM27BNR0X20C25A1... 利用する側はコスト面で助かることになっていく?
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