いま、日本の自動車メーカーのトップたちが急速な変化に危機感を抱いている市場があります。
世界最大の自動車市場・中国です。
EV=電気自動車の急速な普及を追い風に、中国メーカーが販売を伸ばし、これまで存在感を示してきた日本メーカーが苦戦を強いられています。
現地で一体何が起きているのか、日本メーカーの巻き返し策はあるのか、取材しました。
◆日本メーカーに広がる危機感
長年にわたって、ドイツ、日本といった海外メーカーがブランド力を保ってきた中国市場がいま、変貌しつつあります。
中国メーカーの車の人気が急速に高まっているのです。
こうした事態に日本の自動車各社のトップも危機感をあらわにしています。各社の昨年度の決算自体は原材料高が減益要因となったものの、円安効果もあって、全体として堅調な数字でした。
しかし、中国市場に言及する各社のトップのことばからは厳しい現状が伝わってきました。
日産自動車 内田誠社長
「いま起きている変化のスピードは想定をはるかに上回っていることを肌で感じた。中国市場の生産・販売の減少をほかの市場でカバーしきれない」
ホンダ 三部敏宏社長
「われわれが想定する以上に中国メーカーが先を行っている。特にソフトウエアの領域はさらに進化している」
日本メーカーの苦戦ぶりは、販売データにも表れています。
ことし1月から4月までの各社の販売台数は去年の同じ時期と比べて、日産自動車がー29.9%、ホンダがー29.8%と大きく落ち込み、トヨタ自動車もー2.4%と小幅ながら減少しました。
マツダなどほかのメーカーも苦戦しています。
中国全体の販売台数は+7.1%と伸びているだけに、日本メーカー各社の落ち込みは深刻です。
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