「夕刊がなくなる日」が現実味を帯びてきた。
東海エリアで今春、毎日新聞に続いて朝日新聞が夕刊の発行を取り止めた。朝刊と夕刊をセットで購読する読者が激減しているところに、新聞用紙代の大幅値上げが引き金になったようで、コスト削減のため、やむにやまれず夕刊を廃止することになったとみられる。
すでに多くの地方紙が夕刊の発行を取り止めているが、全国紙が三大都市圏の一角で夕刊を休刊せざるをえなくなった窮状は、あらためて新聞の衰退を痛感させられる。夕刊廃止の大波は、遠からず東京エリアや大阪エリアにも波及し、全国から夕刊が消えてなくなる日が来ることは避けられそうにない。
愛知・岐阜・三重3県を発行エリアとする毎日新聞中部本社は、3月31日付を最後に、第2次世界大戦による7年半の中断をはさみながら約80年にわたって発行してきた夕刊を休刊した。
社告では「読者のライフスタイルの変化に対応するため、朝刊に特化した紙面をお届けすることにした」と説明、これまで以上に「行政の動き、事件・事故、まちの話題を深掘りする」と強調した。購読料は、朝夕刊セットで月額4300円(税込み、以下同)だったが、朝刊のみになるため3400円に大幅値下げした(6月からは4000円に値上げ)。
朝日新聞名古屋本社も、5月1日から夕刊を休刊する社告を4月5日に掲載した。購読料は、朝夕刊セットの月額4400円が朝刊のみとなって4000円となった。
ただ、休刊の理由が振るっている。「東海3県では朝刊だけを希望される方が増えており、朝刊のみをお届けすることにしました」という。休刊の原因を読者に転嫁しているようにもみえていただけない。
いずれにせよ、朝日新聞らしからぬ稚拙な表現と言わざるを得ない。
新聞協会の調べによると、2002年から22年までの20年間で、全国紙や地方紙の総発行部数は4739万部から2869万部へ39%も落ちているが、夕刊に限ると1761万部から593万部へ66%減、1168万部が消滅するという。
日本ABC協会によると、1月現在の全国紙の夕刊販売部数は、読売新聞162万部、朝日新聞121万部、日経新聞72万部、毎日新聞54万部にまで落ち込んでいる(朝刊はそれぞれ、663万部、397万部、168万部、185万部=22年下期平均)。
それは、読者の「夕刊不要論」を反映したものと受け止めざるを得ない。
https://news.livedoor.com/article/detail/24275955...
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