米インテルは23日、新たな工場の建設で大規模な投資を行い、他社向けに半導体を製造するファウンドリー(受託生産)事業に乗り出す計画を明らかにした。
半導体製造でリーダー的地位を取り戻すことを目指している。発表を受け、インテルの株価は一時約5%上昇した。
パット・ゲルシンガー新最高経営責任者(CEO)が発表した計画は、インテルが台湾積体電路製造(TSMC)と直接競争することにつながる積極的な動きだ。
インテルはファウンドリー事業参入のため、当初200億ドル(約2兆1700億円)投じて米アリゾナ州に2つの新工場を建設する。このほか米欧などでもさらなる工場を計画する。同CEOはインテル半導体の大半を自社生産する考えを示した。
インテルは最先端の自社工場で製品を設計することで、4000億ドル規模の半導体業界で数十年にわたり支配的な地位を維持した。
だが他のメーカーの大半がファウンドリー業者を活用する中で、インテルは新しい製造技術の目標期限を達成できないなど、従来の戦略がここ数年で崩れ始めた。
ゲルシンガー氏の前任者は、自社生産を完全にやめることを検討し、一部の投資家はインテルが生産の外部委託でコストを削減するよう期待していた。
新たな計画はいずれのアプローチも否定し、年月と多額のコストをかけてインテル伝統の生産方針にあらためてコミットするものとなった。
インテルは回路線幅10ナノ(ナノは10億分の1)メートルの製造プロセスで目標期限を達成できなかったことに続き、昨年は最新の7ナノ技術でも遅れが生じるなど問題が顕在化している。
ゲルシンガーCEOは23日のインタビューで、「当社のような企業にとって10ナノ、7ナノでのつまずきは屈辱だったが、それは解決済みだ」と説明。「問題が何か理解している」と述べた。
同CEOによると、インテルは最重要製品の部材を含め、一部の自社ニーズを満たすためにTSMCのファウンドリーを利用する。ただ、自社製品の大半を社内で生産し続けるとした。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-23/QQFX0...
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