独フォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)シフトを一段と加速する。最重要部品となる電池工場を2030年までに欧州で6カ所設ける。規格を統一した電池を大量生産しコストを半減、ガソリン車より安いEVを目指す。急速充電網も拡大し普及を後押しする。急成長するEV市場の主導権を一気に握る狙いだ。
[ガソリン車より安く]
16日に開いた記者会見でVWのヘルベルト・ディース社長は「車の製品ライフサイクル2周(15年程度)で『古い車』は『新しい車』に入れ替わる」と述べ、25年に世界の新車販売の2割をEVにし、30年に5割、35年には大半をEVにするロードマップを示した。欧州では30年に6割を目指す。
前提となるのは15日に発表した電池と充電に関する戦略だ。6カ所の工場が稼働すれば、電池メーカーとの合弁などを通じて合計240ギガワット時の年間生産能力を持つ。標準的な電池容量のEV換算で、合計500万台分相当の電池を生産できるようになる。
23年以降、自前の工場で統一した規格の電池セルを生産する。セルは電池システムの中核部品で、30年には全体の8割をこの統一セルとし、セルのコストを現在の半分に下げる。
今後は電池システム全体のコストを1キロワット時あたり100ユーロ(約1万3千円)より大幅に下げる方針だ。100ユーロを下回ればEVの完成車の生産コストはガソリン車を下回るとされる。ディース社長は「電池が安くなれば車が安くなり、消費者にとってEVはさらに魅力的になる」と話す。
また、16日には独アウディや独ポルシェを含む全ての傘下のブランドで電池やソフトウエアなどの共通化の度合いを深める方針を明らかにした。
米資産運用会社アライアンス・バーンスタインのアナリスト、アーント・エリンクホルスト氏は電池工場立ち上げのための投資額が150億ユーロ(約2兆円)以上と推定、「VWのEV戦略で欠けていた部分が埋まった」と評価する。VWの株価は16日、一時発表前の12日比で3割上昇した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1607S0W1A310C2... 『工業製品の製造コスト≒CO2排出量』
規格統一による量産効果でこれが半分になるということは
経済的に車両価格がガソリン車(HV含む)より安価になるだけでなく
脱炭素的にもガソリン車より優れることになる
(そもそも工場の電力を100%再生エネで賄う方針のVWに製造時のCO2排出量云々などという言いがかり自体が無意味なわけだが…)
そしてVWが製造コストを半減できるということは
他のメーカーにも同じことができるということ
EVの価格低下の勢いは止まらない≒EVの普及拡大は止まらない
返信する