外資系の探鉱専門会社(ジュニア・マイナー)が日本で相次いで発見している高品位の金鉱脈。ここに最終的に手をつけ、実際の開発や買収に乗り出す企業とその狙いは、主に以下の3つの勢力に分かれます。
1. 海外の「金専門の巨大開発会社(シニア・マイナー)」
カナダ、オーストラリア、南アフリカなどに本拠を置く、世界的な大手産金会社です。
狙い:有望な「手付かずの資源」の独占
プレミアム資源の確保
世界中で大規模な金山が枯渇するなか、日本で発見された「世界平均の数倍〜数十倍」という超高品位な鉱脈は、喉から手が出るほど欲しい資源です。
高いリスク許容度
地下深くを掘る技術や、日本の厳しい環境規制(汚染防止)をクリアするノウハウを世界各地の難関鉱山で培っているため、日本企業が「コスト高」と諦める場所でも十分に利益を出せると踏んでいます。
2. 日本の「住友金属鉱山」
国内の総合非鉄大手のなかで、唯一この外資の動きをチャンスと捉え、実際に包囲網を敷いている企業です。
狙い:自社インフラの維持と、美味しい果実の「総取り」
製錬所の稼働維持
同社が持つ国内唯一の商業金山「菱刈鉱山」は、いずれ資源が減少します。自社の最先端の金製錬インフラを将来も維持するため、次の供給源(金鉱石)を必要としています。
圧倒的な国内優位性
すでに日本の厳しい環境基準をクリアする体制とノウハウを持っています。
外資の探鉱会社がリスクを冒して見つけた美味しい鉱脈を、「共同事業(JV)」や「権利買収」という形で最も効率よく自社ビジネスに取り込める立場にあります。
3. 中国などの「国営・準国営の資源資本」
国家の背景を持ち、純粋な民間企業の採算ラインとは異なる論理で動く海外資本です。
狙い:経済合理性を超えた「現物ゴールド」の国家確保
安全保障としての金
世界情勢が緊迫化するなか、通貨や国債よりも信頼できる「現物の金」を自国(または自国グループ)のコントロール下に置くことが最優先の目的です。
赤字・環境コストの不問
多少の環境対策コストや、民間企業なら「割に合わない」とする赤字リスクを無視してでも、高品位な日本の金山をごっそり買い取り、現物を確保しにいく可能性があります。
結論
外資系探鉱会社が金鉱脈を発見したとしても、それを中国などの「安全保障上のリスクがある資本」へ転売しようとした場合、現在の日本政府は経済安全保障(外為法)の権限を使ってその買収を阻止(ブロック)する可能性が極めて高いと言えます。
そのため、前述の通り、規制のハードルをクリアできる「住友金属鉱山などの国内勢」や「西側諸国の信頼できる産金大手」が最終的な引き受け手になるのが現実的な路線とみられています。
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