成田空港(千葉県)の滑走路新設・延伸の用地取得の遅れに、強制的な手法である土地収用が検討されていること
に、地元からは「早期完成のためにはやむを得ない」と、理解を示す声が上がっている。未買収地の強制収用などを巡っ
て国側と地権者らが激しく対立した1960年代からの「成田闘争」を経て、90年代以降、国が強引な手法を謝罪して
地域と共生しながら進んだ空港開発は、新たな局面を迎えている。
滑走路の新設・延伸は、「国際ハブ空港」として成田の国際競争力を強化し、日本の経済発展につなげる国家プロジェ
クトだ。既存のB滑走路(2500メートル)を1000メートル延伸し、C滑走路(3500メートル)を新設する計
画で、昨年5月に工事が始まったが、用地確保でつまずいた。
71年の2度にわたる代執行で多数の死傷者を出した反省から、土地収用は成田では「タブー」とされるが、今回は
地元からそれを望む声が上がった。地権者や住民らの市民団体、成田市の経済関係者でつくる協議会は3月、成田国際空
港会社(NAA)に、土地収用法適用も視野に入れて事業の早期完成を目指すよう要望した。
背景の一つに経済効果への期待がある。新設・延伸が実現すれば、貨物取扱量は1・5倍の年300万トンに、空港従
業員は1・7倍の7万人に増えると見込まれ、空港周辺には航空・宇宙産業などの集積も予定される。観光関係者は
「(新設・延伸を)早くやらないと、地域の産業、国益にも影響する」と語る。
NAAに要望した団体にはかつて反対派だった地権者らも含まれ、激しい抵抗運動を繰り広げた「反対同盟」(熱田派)
の事務局長だった男性(76)もその一人だ。要望の際には「多くの地権者が住み慣れた土地を提供して空港は開港した。
(国が謝罪して)以降、民主的な空港づくりが行われてきた」と語り、「協力者の思いを実現するためにも新しい滑走路
をきちんと完成させないといけない」と強調していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/212ae9e8e1f88ff8f987a...
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