ベトナム政府は北部の首都ハノイと南部の主要都市ホーチミンを結ぶ南北高速鉄道計画に日本の支援を改めて要請した。 
 これは1月13日にハノイを訪問した鈴木俊一財務相に対してファム・ミン・チン首相が会談の中で明らかにしたもので、ベ 
 トナム国営メディアが伝えた。   
  ベトナムは現在、南北を結ぶ在来線に加えてハノイに都市交通、ホーチミン市に地下鉄がそれぞれ開業したり建設計画 
 が進んだりするなど、鉄道整備を積極的に進めている。   
  在来線は、1935年開業という古い路線で、ベトナム戦争での運行分断などを経て統一後に再開し「統一鉄道」と呼ばれ 
 ているが、ハノイからホーチミンまでは約29時間もかかることから、南北を結ぶ高速鉄道の建設が長年の念願となってい 
 た。工事は2030年代に一部区間を完成させ、最終的には2045年の全線開通、営業開始を目指している。   
  この高速鉄道計画は2007年に発表されたが、当時330億ドルという巨額の建設費用が見込まれたことや、中国南部を走 
 るパンアジア鉄道の乗り入れが想定されたため、「中国の影響力が強まる」との懸念から一度は国会で否決された経緯が 
 ある。   
  しかしその後、2016年に否決された計画の見直しが始まり、2018年に鉄道公社傘下の鉄道プロジェクト委員会が「予備 
 的事業化報告書」を交通運輸省に提出したことで計画が再び動き出し、ベトナム国民の期待を一身に担った「念願実現」 
 に向けて歩み出したのだった。   
 時速300キロ以上、広軌で建設 
  ベトナムの報道などによると、日本が支援を要請された高速鉄道計画では、在来線と同じ狭軌(1000mm)ではなく高速走 
 行を可能にする標準軌(1435mm)の線路を採用し、最高時速320~350キロを想定している。   
  これによりハノイ~ホーチミン間約1560キロの区間を、在来線の29時間から最速で約5時間半に短縮することを目指して 
 いる。   
  南北高速鉄道は全線を標準軌で新設して旅客列車専用路線とし、在来線(狭軌)は改良を加えながら貨物輸送専用の路線 
 として維持する予定となっている。   
  ハノイ~ホーチミンの高速鉄道は国土を南北に縦断するため、20の州と市を経由する計画で、全線の60%が高架とな 
 り、30%が地上区間、残る10%がトンネル区間となるという。   
  車両基地は全線で5ヵ所設けられるほか、24の駅が予定されているが、さらに3駅が追加される可能性もあるとしている。   
  また開業後は、ハノイ~ホーチミンを約4時間半で結ぶ国内航空路線に対抗するため、鉄道運賃は同区間の航空運賃の約 
 75%に抑えて利用を促す予定だという。 
 続く→
https://news.yahoo.co.jp/articles/a934c5e08d5f283ebb167...
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