イタリアといえば、ピザが国の宝と国際的に認められている。その市民が、アメリカ人が度を超えたまねをして大量生産 
 した多国籍チェーンのピザなどに夢中にはならないだろうと誰か思わなかったのか?   
 誰かがそう思うべきだったのかもしれない。米ピザ宅配チェーン最大手「ドミノ・ピザ」が、イタリアのフランチャイズ 
 全店舗を閉じたと米経済メディア「ブルームバーグ」が報じた。同社がイタリアで特製のチーズバーガーやハワイアン 
 ピザ、チキン&ベーコンピザを提供することはもうなくなる。   
 需要が減ったのは、消費者が家族経営の店からピザを配達してもらったり、コロナ禍で閉じていてようやく再開したレス 
 トランでピザを食べたりするのを好むようになったせいだ、と同社が投資家らに送った報告書は敗因を分析している。   
 イタリア企業「ePizza」が2015年にドミノ・ピザの「マスター・フランチャイザー」となり、33店舗をオープンさせた 
 ことも記されているこの報告書は、2021年第4四半期の結果を調査したものだが、売り上げは年末の時点で見込みから38% 
 近く落ち込んだ。   
 さらなる災難として、デジタル注文の受けが悪かったようだ。ドミノ・ピザのビジネスモデルは「“最先端”のデジタル技 
 術に大いに適合している」が、注文の半分以上が店頭か電話によるもので、アプリのダウンロードは停滞していたと報告 
 書にはある。   
 イタリア人はパイナップルピザが苦手? 
 ドミノ閉店の話題がアメリカのSNSで拡散されると、予想どおりというべきか、同チェーンのそもそもの野心が揶揄されるこ 
 ととなった(ドミノ・ピザはイタリアで800店舗オープンを目論んでいたとされる)。   
 ピザが崇められ、伝統的なナポリ式のピザを守る団体まで存在し、生地を空中でクルクル回すその職人技がユネスコの無 
 形文化遺産に登録されたほどの地で何を考えているのかと──。   
 たとえば、以下のようなツイートだ。   
 「おいおい、イタリアでドミノ・ピザを頼むやつなんて酔っ払ったアメリカ人観光客以外で誰かほかに想像できる?」   
 「イタリアでドミノ・ピザを開こうとするのは、北極で雪を売ろうとするようなものだ」   
 地元店のピザのほうがドミノ・ピザより安いことが多いと指摘する声もあった。   
 嫌みな発言は大西洋の向こう側でも飛び交った。イタリアの日刊紙「イル・メッサジェーロ」は8月8日、トップ記事の見 
 出しに「イタリア人はパイナップルピザが苦手──ドミノ・ピザが国内の全ピッツェリアを閉店」と書いた。  
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe6fad876a9b43c1a838b...
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