モヤシの生産業者がかつてない苦境に立たされている。原料種子価格の高騰や、ロシアのウクライナ侵攻の影響などに 
 よる原油高で輸送費や工場での燃料費がかさみ、生産コストが上昇している。にもかかわらず、小売店への納入価格はな 
 かなか上げてもらえない現状に、生産業者からは「薄利で耐えてきたが、もう限界」と悲鳴が上がる。客寄せの目玉とし 
 て激安販売されるなど「食卓の優等生」「財布に優しい」のレッテルを押し付けられてきたモヤシ。安価な値札の向こう 
 には、ギリギリの経営に苦悩し、廃業を選ぶ生産業者たちの現実がある。   
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 「うちのモヤシが9円で売られている」   
  今年に入って、モヤシの全国的な業界団体「工業組合もやし生産者協会」(東京)に、こんな報告が上がってきた。一 
 緒に送られてきた画像には、店頭でおなじみの200グラムのモヤシ一袋が毎日「9円」で売られている様子が写っていた。   
  モヤシの小売店への納入価格は、200グラム一袋で20円台が一般的だ。協会ではこうした小売店での「不当廉売」と考 
 えられる事例については、公正取引委員会(公取委)に申告することにしている。今回のケースでは公取委から小売店に 
 対し注意がなされ、店頭価格は19円に上がった。それでも格安の価格である。   
 「モヤシは客寄せの目玉としての扱いが定着しており、消費者にも『安くて当たり前』という意識が根付いてしまってい 
 るのです」   
  苦渋の表情でそう話すのは、同協会の理事長でもある旭物産(水戸市)の林正二社長だ。   
  総務省の家計調査によると、モヤシ100グラム当たりの平均購入価格は2000年は19・15円だったが、21年は15・33円。   
 「店頭に並ぶ200グラム一袋は、30年前は約40円でしたが、ここ10年は30円程度に落ち込んでいます」(林社長)   
  その一方、中国から輸入しているモヤシの原料種子「緑豆」の価格は2010年以降、ほぼ右肩上がり。ここ2年は天候不 
 順による不作なども影響し、今年は昨年より2割以上価格が上がっている。生産コストの上昇分が、小売価格に反映されな 
 い状況が続いてきた。 
 続く→
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7836ead57e58fceeb37a...
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