Q.電気自動車(EV)の需要が伸びているのは乗用車市場だけなのか、それとも大型車の貨物輸送にも広がるのか?
A.トラックやバスのような中大型車が電動化の焦点になるのは間違いない。中大型車が米国の自動車全体に占める割合はわずか10%だが、輸送部門の二酸化炭素(CO2)排出量では28%を占めることを考えると、中大型車の電動化は大きなインパクトをもたらす。
中大型車を購入しているのは政府や企業であるため、電動化を進めやすい。さらに、バスやトラックは大体決まった道を走行し、夜間に車庫で充電できることを考えると、乗用車よりもEVに適している。こうした性質から、1回の充電で走行できる航続距離への懸念も軽減できる。
Q.顧客に届ける「ラストワンマイル」の輸送や配達と比べて、中距離輸送はどんな状況にあるのか?
A.中距離の輸送や配送は物流各社に「ラストワンマイル」にはない多くのコスト削減の機会をもたらす。例えば、中距離車は主に同じルートを走行するため、自動化しやすい。一方、ラストワンマイルの配達ルートははるかに複雑なことが多い。しかも、企業は通常、配送センターと実店舗の両方を持つ。つまり、中距離の2つの場所で成り立っており、サプライチェーン(供給網)の両端をコントロールできる。
Q.ティア1サプライヤー(完成車メーカーに直接納入する1次部品メーカー)が電動化に重点を置いているとすると、どんな高速充電やワイヤレス充電の技術の開発が進んでいるのか?
A.いくつかのスタートアップが高速充電や電力系統への負担を最小化する手段を探っている。
英石油メジャーBP傘下のBPベンチャーズなどが出資する米フリーワイヤ・テクノロジーズ(FreeWire Technologies)は、普通の壁のコンセントから充電し、1日に複数のEVに給電できる移動可能なEV充電ステーションを開発した。同社によると、この充電器は設置コストが従来よりも4割安く、低い電圧でオフピーク時に充電することで電力系統への負担を減らせる。
一方、同じくBPベンチャーズが出資するイスラエルのストアドット(StoreDot)は、5分で満充電できる高速充電器を開発している。
無線充電では、米半導体大手クアルコム、米インテル、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の出資を受ける米ワイトリシティ(WiTricity)が、EVを無線充電する磁気共鳴技術を開発している。同社の方式では複数のデバイス(装置)を同時に充電できるほか、距離があったり、木材やプラスチック、御影石、ガラスなどの素材を通したりする場合にも充電できる。
さらに、米ニューヨークに拠点を置くヒーボパワー(HEVO Power)は、EVの自動充電システムを開発している。同社の充電ステーションは、EVがレシーバーの上に停車すると、自動で無線送電する。複数の大手自動車メーカーや電力会社がヒーボの充電方式を採用している。
以下ソース
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62422640X00C20A8...
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