「究極のエコカー」として期待される燃料電池車(FCV)に燃料を入れる水素ステーションの利用が低迷している地方都市が目立ち、
「宝の持ち腐れ」との声が出ている。国や自治体は設置に補助金を投じているが、FCVが普及していないためだ。
国が目指す「水素社会」に向けた本格活用への道は険しい。
経済産業省によると、今年7月10日時点で移動式を含めた水素ステーションは27都道府県に計109カ所あるほか、
13都府県の計25カ所が整備中。利用できるFCVの乗用車はトヨタ自動車やホンダが販売しているが、高い車両価格などが
ネックになって次世代自動車振興センターによると、昨年3月末時点の国内保有台数は約2450台にとどまっている。
佐賀市にある国道264号沿いの佐賀県内唯一の水素ステーションは、18年度の1日当たりの平均利用台数はわずか約1台だった。
国が1億8000万円、佐賀県が2億5000万円の補助金を投じて16年3月に完成させたが、県内で保有されているFCVが公用車など
十数台だけのため利用機会は少ない。県新エネルギー産業課の担当者は「普及のために拠点は必要だが、FCVの台数がそもそも少ない」と話す。
甲府市に16年2月開設した山梨県唯一の水素ステーションも、18年度の利用は1日当たり2台弱。建設に約8000万円を補助した同県は
「水素社会」の到来をにらんだ関連産業の集積を目指しており、県新事業・経営革新支援課は「利用という一面だけで判断するのではなく、
多様で長期的な視点が重要だ」と訴える。
逆風下でも、設置を目指す動きもある。栃木県は開設1カ所当たり1億円を上限に補助する制度を設け、
来年2月に県内初の水素ステーションが栃木市に完成予定だ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/190924/bsc190924...
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